ダイズ・ダイアリー [Dai's Diary]

ダイズ・ダイアリーでは、何気ない日常とサイエンスのコラボレーション、英語記事、様々な社会問題に関して、筆者なりに論じています。大豆は畑の肉と言われるように、人間の血となり肉となります。ダイズ・ダイアリーも、あなたの知となり肉となれるようなブログを目指します。

【大人と子供 (Part1)】大人になることは、我慢すること??【自己抑制と過剰適応】

ダイズダイアリーからこんにちは。

ダイスケです。

 

本日は立冬ですね。もう冬か~。スーパーやデパートでは、既にジングルベルが鳴り響いちゃってますね。ハロウィンからクリスマスの流れ、せわしないな~。マイペースにブログ、行っちゃいましょう!!

 

今日のブログテーマは、大人と子供について、自分なりの大人の定義についてお話します。途中、発達心理学の観点からも、この議題について考えます。内容がボリューミーなので、"前後編"に分けて記事を書いてみます!!

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描いた絵は"赤ちゃんから大人"ですが、気にしないでください(笑) 

それでは早速、Let's Go!!

 大人って何だ?

 大人や子供の議論の前に、"我慢"について考えてみましょう。"我慢"というのはデジタル大辞泉によると、

"耐え忍ぶこと。こらえること。辛抱"

と記されています1)。つまり、自分の理想の状態・望んでいる状態から、現実が乖離していることで生じる心の動きや行動、ってことですかね。例えば、Aを欲しいが我慢するのは"Aを手に入れた状態が望ましい"からですよね。

 

日本では、多くを語らず耐え忍ぶ"我慢""忍耐"ということが、一種の美徳として定着しています。これは、日本が社会・集団を重んじるという文化的背景から、我慢をすることで円滑な集団行動を可能にしていることが考えられます。ちなみに、日本の文化的背景については以前ブログで書いたので、まだ見ていない方は是非Check It Out

dsukehello.hatenablog.com

よく、子供が自分の欲求を律して我慢をすると、"先生や親"は

大人になったね~。大人だね。

とおだてます。我慢という行為が美徳であり、大人としてのふるまいであると教えます。しかし、それが本当に良いことなのでしょうか?? 良い教育なのでしょうか。

 

少々異なる側面から大人について考えます。

料金区分などで小人(しょうにん)や大人(だいにん)という言葉が使われていますが、大小とはその実体の物理的な大きさを表しています。転じて、"身体的・肉体的な側面"から、大人という言葉が説明できそうです。

 

一方で、今回の記事では"精神的・心理的"な側面からの大人について考えます。一般的に浸透した解釈としても、内的な面での"大人"を論じることが多いと感じます。

なぜ、"身体的"大人と"精神的"大人の区分をはっきりさせたか? それは両者が合致しないことが往々にしてあるからです。例えば、

  • 少し前に話題となった"チャイルドマザー・チャイルドファザー"は身体的には大人だが精神的には子供である
  • "見た目は子供、頭脳は大人"の名探偵は、身体的には子供であるが精神的には大人である

などが考えられます。

 

ここで、今までの議論をまとめてみましょう。

  • 日本において、"我慢するのが大人である"という認識がある。
  • 身体的な大人と精神的な大人は異なる。

それでは、以上の点を踏まえて以下の図を見てください。

 

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この図は、"我慢の尺度"とそれに伴う現象についてまとめたものです。例えば、

  • 我慢をしないと、周囲からの協力が得られなくなり、やがて社会的に孤立する。
  • 我慢をしすぎると、自身への付加が過大となってやがて限界を迎える。
ということです。私の認識では、日本人の大多数は図中の赤いエリア、すなわち過剰適応のあたりに属しており、中庸からは離れてしまっています。例えば、
  • 言うべき時に自分の意見を言えない
  • 体調が悪いにも関わらず無理して出社する
などは典型ではないでしょうか。その点では、諸外国を見習う必要があると感じます。日本人が海外へ出ると、外国人は勝手で子供っぽく感じてしまうかもしれません。良いカルチャーショックですね!!!
 
次に、自己抑制と過剰適応について、心理学・脳科学的な観点から迫ります。

 自己抑制と過剰適応

 脳科学的には、自己抑制には"前頭連合野"が関わっていることが知られています。このことはフィニアス・ゲージの事故例から明らかとなりました2)

事故前のゲージは、責任感のある真面目な人間だったそうです。しかし、1848年、ゲージの頭部を鉄棒が貫くという痛ましい事故が発生しました。奇跡的に生還したゲージでしたが、事故後のゲージは文字通り"人が変わってしまい"、衝動的な人間になってしまったそうです。その後の調査で、前頭連合野を損傷していることが明らかとなりました。

当然のことながら、彼は職を失い社会的に孤立してしまいました。前頭葉を鍛えることによって、自己抑制能力を高めることが出来ます。前頭連合野では、情報を処理・判断して行動するという作業が行われているのです。

 

過剰適応に関しては、自己抑制能力の他にも同調圧力が大きく関係していると考えられます。過剰適応の見られる人には、不登校やひきこもり、自傷行為摂食障害の問題が生じます3)。過剰適応 (Over-Adaptation)とは、

必要以上に周囲の期待に応えようとしたり、そのために過度に自己抑制的になるなど、バランスのとれた適応を通り過ぎた状態

とされています3)。特に日本では、同調圧力の観点からも過剰適応が起こりやすいといえるかもしれません。

 

よって、中庸から外れると好ましい状態ではなくなってしまうことが分かります。

 おわりに

 今回のブログでは、"我慢文化"の風土がある日本や海外との対比、大人の定義、我慢の

座標系に存在する"自己抑制"と"過剰反応"について書いてみました。言うべきことやるべきことはすかさずやれる大人が理想的ですね!!! 結果的には集団にとってポジティブに働くかもしれません。

 

次回、大人と子供の違い、失うものと得るものについてお話し、理想の大人像に関して自分なりの結論を出したいと思います!

 

因みにこちらのブログでは、異なる視点から"大人"について論じていました。同年代っぽいので勉強になりますね!!

hiranojun.hatenablog.com

 私は、肉体的には標準的な大人とは同等ですが、精神的にはまだまだ未熟であると感じています。私の中での理想の大人を見据えて、紆余曲折しつつ、日々精進して参ります!! ところで、"あなたにとっての大人"ってどんな感じですか?? コメント、お待ちしております。

 

 今回も、最後まで読んでくださってありがとうございます!!

それでは、まったね~

Carpe diem

 

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 References

1) 我慢(がまん)とは - コトバンク

2) 中村克樹, 徹底図解 脳の仕組み, 新星出版社, p24-25.

3) 風間惇希(2015), 大学生における過剰適応と抑うつの関連-自他の認識を背景要因とした新たな過剰適応の構造を仮定して-, 青年心理学研究,  p23-28