ダイズ・ダイアリー [Dai's Diary]

ダイズ・ダイアリーでは、何気ない日常とサイエンスのコラボレーション、英語記事、様々な社会問題に関して、筆者なりに論じています。大豆は畑の肉と言われるように、人間の血となり肉となります。ダイズ・ダイアリーも、あなたの知となり肉となれるようなブログを目指します。

【睡眠をサイエンス】睡魔は本当に悪いやつ??

ダイズダイアリーからこんにちは。

ダイスケです。

 

今回のブログテーマは、以前からず~っと書きたかったテーマ。"睡眠"に関してです。私は学生の分際だからなのかもしれませんが、睡眠に関心を寄せる人って割と少なくないですか?? 例えば、、

  • テスト期間中に徹夜続きだったから週末は寝だめをする
  • 夜の睡眠だけでは足りないから講義中にも寝る
  • 寝る時間はとりあえず6時間確保とけば平気っしょ

みたいな。自分の心の声としては、"もっと体を労わってげようよ!!"と叫んでます。心が叫びたがってます。睡眠習慣の改善は、

"人生の質に直接的に影響する大事な試みであり、かつ今日から実践のできる試み"

であると言えます。睡眠時間を7時間と仮定すると単純計算で、、

人生の29.2%は睡眠により支配されている

と言えます。毎日の睡眠を疎かにすることは、人生の1/3を疎かにすることです。7時間なら7時間の睡眠時間を確保すれば良いよいう単純なことでは無くて、7時間の質にもフォーカスを当てる必要があるのです。

 

日中のパフォーマンスと睡眠は、切っても切り離せない関係にあります。より質の高い、レベルの高い活動を求めるならば、まず第一に睡眠を見直すことから始めるべきです。

 

今回のブログでは、そんな睡眠に着目した記事となっております。睡魔を感じるメカニズム、睡魔は本当に悪い奴なのか、私の睡眠オプティマイズといったお品書きです。短く収めたつもりなので、文系の皆さんも安心して読んでみてください!!!!

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それでは早速Let's Go!!

 睡魔を感じるメカニズム

それでは、早速睡魔の実態に迫っていきましょう。読者のみなさんは、"睡眠負債"という言葉を聞いたことがありますか? 多分、本屋さんにしょっちゅう行く方であれば、聞いたことがあったり目にしたことのある言葉だと思います。

 

睡眠負債とは、

"自分の体質に合う、満足した睡眠を行えなかった際に発生する悪影響、またはその状況"

であると言えます。睡眠負債が溜まっていくと、まさに借金のように様々な災難が降りかかってきます。そのことについては後述致します。

 

つまり、睡眠負債を発生させないためには

  • 自分の体質 (十分な睡眠時間および質)を把握すること
  • 睡眠を重視した生活習慣を形作ること

が必要であると言えそうですね。

 

それでは、睡魔はそもそもどのようにして感じ取られているのでしょうか、、と確信に迫りたいところですが、いまだ明確なことが明らかになっていない状況だそうです。なんせ、"頭をパかっと開ければ見える"といったほど単純でもないですからね。

 

日夜、睡眠研究所の研究者の方々が頑張って調査しています。睡眠のメカニズムを解明して、世界を変えようとしている人々が沢山いるのです。

 

少々脱線しましたが、睡魔を感じるのに重要な要因として考えられている物質があります。

アデノシン

です。アデノシンという言葉を聞いて、理系の皆さんはすぐにピンとくるかと思います。DNAの塩基配列を構成するアデニン(A)を含む物質であり、エネルギーの通貨として知られるアデノシン3リン酸(ATP)の主要構成成分です。

 

エネルギーの通貨と言いましたが、これがキーワードとなってきます。脳はエネルギー源としてグルコース(ブドウ糖)しか利用することが出来ません1)。また、脳は体重の2%程度しか占めないのに関わらず、エネルギー消費量は全体の18%と大食漢な臓器です1)。脳内では、グルコースが好気的に分解されてATP、つまりエネルギーの通貨なる物質に変換されます。

 

ATPは、前述の通りアデノシン3リン酸(Adenosine triphosphate)の略で、高エネルギーのリン酸間結合がエネルギーの源となっています。このリン酸結合が切れることで、エネルギーを得ているわけです。

 

リン酸が徐々に消費される場合を考えましょう。

  • アデノシン3リン酸(ATP)はアデノシン2リン酸(ADP)
  • アデノシン2リン酸(ADP)はアデノシン1リン酸(AMP)
  • アデノシン1リン酸(AMP)はアデノシン

となります。あれ? どっかで見ましたね。そうです。エネルギーを消費すると、最終的にアデノシンが増えていくのです。脳みそはエネルギーの大食漢であることも前述しました。

 

考えれば考えるほどに脳内でこのような"ダイナミックな化学反応"が起こっていきます。考えれば考えるほどにアデノシンは蓄積されます。これが睡魔を引き起こす要因の1つだったのです。

 

因みに、コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシンによる信号を妨げる働きがあり、結果として脳内の覚醒レベルを保ちます。

 睡魔は本当に悪い奴?

それでは本題に入ります。睡魔は本当に悪い奴なのか?? 私の答えはこうです。

睡魔は短期的には悪魔だが、長期的には天使。

睡魔は"強烈な眠気"と言い換えることが出来そうですが、強烈な眠気は社会生活に支障を来します。望むべき状態に自分が到達するのを妨げます。例えば

  • 今日中に仕上げなければいけない報告書があるのに睡魔が...→ (。-ω-)zzz.(5分後)
  • 今日の講義こそは絶対に起きてるぞ!!!...→ (。-ω-)zzz.(5分後)

みたいな感じで。この後は皆さん想像できますよね?笑 ここぞというときに睡魔が来てしまうと、悪い結果しか引き起こさないんです。

だから、悪者みたいに称されてしまうんでしょうかね。あとは、もう太刀打ちできない大魔王みたいな意味合いもあるのかも。

 

こんな感じで、短期的に見れば厄介な奴ですが、長期的に見れば良い奴でしかないと私は考えています。何せ、それが一番正直な体の声だからです。空腹になるとお腹が鳴るのと同じようなものです。

 

体があなたに、

睡眠足りてないよ!! 睡眠時間または質に問題あるよ!!!

と訴えかけているに過ぎないのです。ちゃんと耳を傾けてあげなければ、知らぬ間に我々の認知機能は低下し、パフォーマンスは下がり、自分の掲げる目標から遠のいていってしまうのです

 

この体のシグナルは大切にして下さい。ダイスケからのお願いです。

 

この勧告を無視し続けると、眠気を感じるのがデフォルトとなり、睡眠習慣・サイクルは乱れ、やがて睡眠障害になってしまうかもしれません。睡眠負債もどんどんたまります。例えば、

  • マイクロスリープ(瞬間的居眠り)が社会生活に支障を来す
  • 糖尿病リスクが高まる
  • 短命になるという統計データがある
  • 太りやすくなる
  • その他めちゃめちゃ沢山のデメリット

が挙げられます2)。睡眠を見直さない限りは、QOLは下がっていく一方です。

 

しかし、近代の科学技術発展に伴い、世の中は眠りに就くのが難しくなってきているのも事実です。スマホの普及や常に開店するコンビニ、などなど。睡眠を意識的に取り、自身で質の向上をする時代が始まっています。

 

そこで次章は、私が行っている睡眠の最適化についてお話をします。

 私の睡眠オプティマイズ

 私は、大きく分けて以下の3つを行っています

  1. 睡眠のトラッキング
  2. パワーナップ
  3. ナイトシフトの活用

1.と2.については、既にお話ししました。

dsukehello.hatenablog.com

 睡眠のトラッキングは、

  • 自分の最適な睡眠時間を把握するため
  • 自分の睡眠の質を定量的に評価するため

です。私は初めに、その日の"就寝時間と起床時間"を日記に記録することから始めました。この作業により、ざっくりとしたその日の睡眠時間を求めることが出来ます。ある程度データが蓄積されたら(20~30日)、平均値を求めます。EXCELなどで見える化すると、自分の睡眠の傾向が分かって面白いです。

 

例えば、睡眠時間を全然取れなかった翌日の睡眠時間は、確実に平均値より大きな値を示しております。というか朝に起きようとしても起きれません。ここから、睡眠負債が普段より蓄積しており、大きな睡眠圧がかかっていたことが分かります。

 

やがて私は満足しなくなります。睡眠時間はあくまでも指標に過ぎません。睡眠時間と質の積こそが真の睡眠を図るパラメーターだと考えました。そこで、私はウェアラブルバイスを手に入れて睡眠の質を測るに至りました。

 

先ずは、データを手に入れる(情報収集)ことが大切です。データをもとに睡眠習慣を改善していくのです。

 

 

続いて"パワーナップ"です。これは今年に入ってから始めた習慣で、要するに"お昼寝"です。でも、18分以上30分未満のお昼寝自分ルールです。Googleなどの先進的な企業も導入している方法で、認知機能向上に一役買います。しかし、注意点として"30分以上のお昼寝"はむしろ体・睡眠生活に悪影響であるということです。

昼寝に関しては、厚労省以下の文献3)8-④をご覧下さい。

 

最後に、"ナイトシフト"の活用についてです。これはスマホやパソコンに近年導入され始めた機能で、夜間自動的にブルーライトを軽減したディスプレイの発光にするこおとで、脳が活性化・興奮状態に陥るのを軽減させます。

 

以上の3つは、ハードルが低く誰でもできることだと思うので、ぜひ実践してみてください!!!

 おわりに

この記事を書くことが、私の睡眠生活を顧みるきっかけにもなりました。前述の通り、睡眠を大切にすることが、体を大切にし、人生を大切にする事へと繋がります。是非、ご自身の睡眠についても、今一度考えなおしてみて下さい!!

 

私の愛読している睡眠に関する本を以下に紹介しておきます。

睡眠の科学・改訂新版 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか (ブルーバックス)
  •  睡眠の仕組みに迫った本です。

睡眠の科学・改訂新版 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか (ブルーバックス)

スタンフォード式 最高の睡眠

 睡眠の質改善などメソッドに重点を置いた本です。

スタンフォード式 最高の睡眠

 ところで今日は何曜日ですか? 日曜日ですね!! 明日は?? 月曜日ですね!!

今日は、ブログ更新を早めにしたのは、そういうことです。

 

今日は早めに寝ましょう!!!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

ではでは。まったね~

Carpe diem

References

1) 中川八郎(1992, 第2刷), ブルーバックス 頭がよくなる栄養学, 株式会社講談社, 3.脳とブドウ糖の甘い関係

2) 西野精治(2017), スタンフォード式 最高の睡眠, 株式会社サンマーク出版, 知らぬ間にはまる「眠りの借金地獄」

3) 厚生労働省 睡眠に関する資料

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf