ダイズ・ダイアリー [Dai's Diary]

ダイズ・ダイアリーでは、何気ない日常とサイエンスのコラボレーション、英語記事、様々な社会問題に関して、筆者なりに論じています。大豆は畑の肉と言われるように、人間の血となり肉となります。ダイズ・ダイアリーも、あなたの知となり肉となれるようなブログを目指します。

【GATTACA】生体認証の普及について考えさせられた映画

今週のお題「リラックス」

ダイズダイアリーからこんにちは!!

ダイスケです。

 

昨日は、久しぶりに落ち着いた一日でした。なので、散髪に行ったり自宅で映画を見たりして、ゆっくり過ごしていました。私は、リラックスした休日を過ごす時、決まって"散歩"や"映画鑑賞"をします。(特に洋画は、もう本当に本当に大好きなんです!!!!)

普段とは頭を切り離して過ごします。メリハリって、平日の生産性を引き出すのに大切ですよね。

鑑賞した映画は、、

  • AVENGERS INFINITY WAR
  • THOR RAGNAROK
  • GATTACA

です。ってほとんどアメコミやん!!!と突っ込みが飛んできそうですが、今回は一番最後に見た映画【GATTACA】についての記事です。映画の趣味が合う学校の先輩におすすめされたので、見てみました。

 

その先輩がご存じだったか知りませんが、宇宙飛行士を目指す近未来人の物語だったので、自分を重ねて観てしまいました。今回のブログでは、

  • 映画のあらすじ
  • 描かれている近未来から読み解く映画のメッセージ

についてお話していきます。

 【GATTACA】のあらすじ

GATTACAを観たことが無い人、そしてこれから見たい人の事を考慮して、うっすらぼんやりとあらすじをお伝えします。ネタばれは避けたいので

 GATTACAは、1997年に公開されたアメリカのSF映画。監督・脚本はアンドリューニコルで、トムハンクス主演の"ターミナル"の原案にも関係しています。

ガタカ (字幕版)

ガタカ (字幕版)

 

 この映画は、精神分析医であるWILLARD GAYLINの一言から始まります。

I not only think that we will tamper with Mother Nature, I think Mother wants us to.  WILLARD GAYLIN

"母なる自然は、人間の挑戦を望んでいる"

この"人間の挑戦"とは、この映画における主人公"ヴィンセント"の挑戦を表していると考えられます。それでは何に挑戦したのか、その背景は

  • 遺伝情報による生体認証技術が普及する世界(近未来)
  • 遺伝情報の優劣によって社会的地位が決定される(優生学的な思考?)
  • ヴィンセントのなりたかった"宇宙飛行士"は、優秀な遺伝子を持つ"適正者"のみがなれた。
というもの。(遺伝情報がカギを握るこの映画のタイトルは、DNAの塩基配列を構成する、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の文字で成り立っています)。
世界観としては、遺伝情報が全てを決定する世界、遺伝情報による階級社会です。
 
ヴィンセントは、抱く夢とは裏腹に、心臓に疾患をもつ"不適正者"でした。
ヴィンセントには2歳年下の弟"アントン"がいます。アントンは、一種のデザイナーベイビーで、優秀な遺伝子を持った人間。少年時代にヴィンセントは、優秀な遺伝子という越えられない壁をアントンに感じていました。
 
しかし2人が青年となったある日、あるきっかけでヴィンセントはアントンとの体力勝負で勝利します。越えられないと思っていた壁を越えたヴィンセントは、何でもできるという自信を手にします。
 
ここで登場するのが"GATTACA"。優秀な遺伝子を持つもののみが集まる施設で、さらにその頂点に立つものは"宇宙への切符"を手にするわけです。不適正者であるヴィンセントは、この施設の清掃員として日々を過ごしていました。
 
またもや、優秀な遺伝子に対する現実を突きつけられるわけです。
そこに、下半身不随となってしまった、超優秀な遺伝子の持ち主"ジェローム"と出会い、2人の運命は交錯していきます。
 
ネタばれは避けたいのでここらへんで。
ここで強調したいのは、生体認証システムが人間の運命までも決める世界です。
優秀な遺伝子は高価な取引の対象となります。そんな世界です。
 
私は、この世界観は"現代への警鐘"であると考えました。

 生体認証の普及について考える

最近、指紋認証や顔認証が一般的な技術として浸透しました。例えば

  • iPhoneやセキュリティドアに代表される指紋認証
  • パソコンや空港での本人確認に代表される顔認証
  • 個人認証の役割を果たす虹彩認証
もう当たり前になってきましたよね。技術的観点からは、GATTACAの世界に到達しているのです。あとはその技術を使用する人間の意向に委ねられています。
 
非常に簡便で正確性も高い、故に絶大なる信頼を置かれているこの技術。今後、さらに普及して、インフラの基盤の1つになることでしょう。一方で、画像解析技術の進歩から、写真に写った指紋を解析することで、簡単に個人情報が漏洩してしまう問題は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
 
システムの信頼性が高いが故に、情報を得られれば簡単に突破されてしまうのです。
技術の急速な発展に、社会が追い付いていないのが現状であると思っています。
写真でのピースサインは禁止法が制定されるかもしれませんね。

 おわりに

生体認証が普及しつつある現代、その利便性にフォーカスされがちな技術ですが、そこには様々な危険性を内包しています。生体認証に関わらず、皆で合意をした上で、新興の技術を利用する体制を確立することが、より多くの人々を幸せにすることに繋がりますね。

 

ところで、アンドリューニコル監督は本当に先見の明のある方だと思いました。生体認証にしろ電気自動車にしろ、実際に普及した技術が映画には描かれています。さすがにルンバではなく普通の掃除機でしたが(笑)

皆さんも、休日に映画鑑賞をしてリラックスしてみてはいかがでしょうか??

 

それでは、まったね~

Carpe diem