"類は友を呼ぶ"は本当か? ~水と油の化学より~
おはよう、こんにちは、こんばんは!!
ダイスケです。
今回の記事では、前回の記事で少し触れた、"類は友を呼ぶ"について綴ります。
前回の記事をご覧になっていない方は、下のリンクより読んでみてね~
"類は友を呼ぶ"
この一言には様々な教訓が含まれていると、今まで体感してきました。皆さんにも、この諺に関するエピソードが色々あるのでは?
例えばこの写真。
すごーーい!!!めっちゃ綺麗!!!!
、、じゃなくて、類が友を呼んでるように見えませんか? このスカイツリー君が、例えば写真の右のほうに立ってたらめっちゃ目立ちませんか?(それはそれで話題性高い) 。でも、実際それは不自然だな、となんとなく思う感性が我々には備わっています。
類は友を呼ぶ、それは我々の感覚と整合性の取れた諺であるといえますね。
実はScience、特にChemistry(化学)、さらに言うとPhysical chemistry(物理化学)でも、同じようなことが登場します。代表例は水と油!!!このことは、記事の後半にて。
前置きはこれくらいにして、、、それでは、今日の旅にLet's Go!!!!
類は友を呼ぶ "Great Minds Think Alike"
類は友を呼ぶ。英語で"Great Minds Think Alike。良い考え、思考は似たことを考える。直訳過ぎるので意訳すると、"良い考えを持つ人々は、自ずと考えが似通ってくる"、といった具合でしょうか。とっても粋な言い回しですよね。
例えば、学生時代を思い浮かべてみると、、、
入学初日、皆が皆を知らない状態で1つの教室に収まります。最初はお互いを知らないので居心地が悪いかもしれません。でもお互い少しずつ話していく内に、
- この人とは話していて楽だな、楽しいな
- この人と話していてもつまらないな、疲れるな
と体感すると思います。そしていつの間にか、仲良し集団が形成されて、友達、即ち"類"が誕生する訳です。居心地が良いから引き寄せあう。
ここで、私は"類に属することが正義である"とは、これっぽっちも思っていません。
類に属さない、周りからしたら変わり者の革命家はいくらでも存在します。そういった意味では革命家という類に属しているとも言えますね。"非属"ってやつです。
余談ですが、集団に属さないことをテーマにした非属の才能という本があるので、興味のある方は読んでみてください。私も尊敬する方からお勧めされた、思い入れのある本です。
話が脱線しましたね。では"類は友を呼ぶ"は本当にあるのか、についてです。
類は友を呼ぶ=類するものは引き寄せあう
私はこの諺について、かなり的確に事物の集合を捉えた言い回しであると思います。
つまり、類は友を呼んじゃうと考えています。
"呼ぶ"、というよりは引き寄せあう、といった感覚に近いと思いますね。お互いがお互いを求めて引き寄せあう。安心を求めて、成長を求めて、夢を求めて引き寄せあう。
この様に、
- 自分と似ていると判断された対象
- 自分とは似ていないと判断された対象
に対しては、社会心理学的な作用が働くことで知られています。
対人魅力についての類似性に関する作用です1)。
この類は友を呼ぶ、現実世界の様々なところに存在しています。
人間の集団心理に始まり、我々には見えないミクロの世界でも起こっているんです。
"類は友を呼ぶ"は化学的親和性を端的に表す
それでは、気分転換に、この世界を虫の目で見てみることにしましょう!!そうすると、今あなたの目の前にあるものは非常に大きく目に映ります。さらに、虫よりも小さくなって、この世界を見てみましょう。すると目の前には何だか粒々が見えてきました。そう、原子です。世の中のありとあらゆる物質は、この粒々で構成されています。
さて、原子が繋がると何になるでしょうか。
皆さん、理科の時間を思い出してください!
そう、分子です。原子は多種多様な繋がりを作って分子を作ります。例えば、水(H2O)は、水素原子2つが酸素原子1つを挟み込み、104.5°の角度で繋がった分子。そんな風にして酸素原子は酸素分子を、炭素原子と水素原子メタン分子を構成しています。
この分子、みんなそれぞれ異なる性格を持っています。
まるで人間みたいですね!!例えば、人間にせっかちとマイペースという気質があるように、分子にも揮発しやすい、揮発しにくいといった性質が備わっています。
これと同じ様に、分子には大きく、疎水性と親水性、という2つの性質に分けられます。聞き馴染みのない言葉かもしれません。疎水性を持つ分子は、親水性を持つ分子と交わりたがらない性質が有ります。水と油を思い浮かべてもらうと分かり易いです。
地球上では、水は水、油は油でまとまっています。両者が交わり混和することはふつうありません。お互い、親水性または親水性といった性格のもの同士の方が、居心地が良いのです。居心地が良いことを、物理化学では安定である、と言います。この性質は、例えば植物の有効成分の抽出などに応用されています。仲の良いグループに、目的の分子を誘い込むイメージですね!
人間を構成する分子にも、人間と同じような性質が有るのは面白いですね。
逆に、人間が真似ているのかもしれませんね。
おわりに
今回のブログでは、"類は友を呼ぶ"という諺について様々な視点から、時に科学の始点から考えてみました。皆さんもこれを機会に、
"自分はどんな類に属しているか"
"どんな類に属したいか"
ということを考えてみては?
このテーマについては、次回のブログでもう少し踏み込んでいきます。
以上、"類は友を呼ぶ"は本当か?(第1回)、についてでした~
Carpe diem
References
1) 奥田秀宇(1996), 対人魅力の非対称性と類似性・非類似性の効果, 社会心理学研究, 12(2), 97-103.