ダイズ・ダイアリー [Dai's Diary]

ダイズ・ダイアリーでは、何気ない日常とサイエンスのコラボレーション、英語記事、様々な社会問題に関して、筆者なりに論じています。大豆は畑の肉と言われるように、人間の血となり肉となります。ダイズ・ダイアリーも、あなたの知となり肉となれるようなブログを目指します。

"類は友を呼ぶ"は本当か? ~水と油の化学より~

おはよう、こんにちは、こんばんは!!

ダイスケです。

 

今回の記事では、前回の記事で少し触れた、"類は友を呼ぶ"について綴ります。

前回の記事をご覧になっていない方は、下のリンクより読んでみてね~

 

dsukehello.hatenablog.com

 "類は友を呼ぶ"

この一言には様々な教訓が含まれていると、今まで体感してきました。皆さんにも、この諺に関するエピソードが色々あるのでは?

 

例えばこの写真。

 

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 すごーーい!!!めっちゃ綺麗!!!!

、、じゃなくて、類が友を呼んでるように見えませんか? このスカイツリー君が、例えば写真の右のほうに立ってたらめっちゃ目立ちませんか?(それはそれで話題性高い) 。でも、実際それは不自然だな、となんとなく思う感性我々には備わっています

類は友を呼ぶ、それは我々の感覚と整合性の取れた諺であるといえますね。

 

実はScience、特にChemistry(化学)、さらに言うとPhysical chemistry(物理化学)でも、同じようなことが登場します。代表例は水と油!!!このことは、記事の後半にて。

 

前置きはこれくらいにして、、、それでは、今日の旅にLet's Go!!!!

 

 類は友を呼ぶ "Great Minds Think Alike"

 類は友を呼ぶ。英語で"Great Minds Think Alike。良い考え、思考は似たことを考える。直訳過ぎるので意訳すると、"良い考えを持つ人々は、自ずと考えが似通ってくる"、といった具合でしょうか。とってもな言い回しですよね。

 

例えば、学生時代を思い浮かべてみると、、、

入学初日、皆が皆を知らない状態で1つの教室に収まります。最初はお互いを知らないので居心地が悪いかもしれません。でもお互い少しずつ話していく内に、

  • この人とは話していて楽だな、楽しいな
  • この人と話していてもつまらないな、疲れるな

と体感すると思います。そしていつの間にか、仲良し集団が形成されて、友達、即ち"類"が誕生する訳です。居心地が良いから引き寄せあう。

 

ここで、私は"類に属することが正義である"とは、これっぽっちも思っていません。

類に属さない、周りからしたら変わり者の革命家はいくらでも存在します。そういった意味では革命家という類に属しているとも言えますね。"非属"ってやつです。 

余談ですが、集団に属さないことをテーマにした非属の才能という本があるので、興味のある方は読んでみてください。私も尊敬する方からお勧めされた、思い入れのある本です。

 

非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)

 

 話が脱線しましたね。では"類は友を呼ぶ"は本当にあるのか、についてです。

 

類は友を呼ぶ=類するものは引き寄せあう

私はこの諺について、かなり的確に事物の集合を捉えた言い回しであると思います。

つまり、類は友を呼んじゃうと考えています。

 

"呼ぶ"、というよりは引き寄せあう、といった感覚に近いと思いますね。お互いがお互いを求めて引き寄せあう。安心を求めて、成長を求めて、夢を求めて引き寄せあう。

 

この様に、

  • 自分と似ていると判断された対象
  • 自分とは似ていないと判断された対象

に対しては、社会心理学的な作用が働くことで知られています。

対人魅力についての類似性に関する作用です1)

 

この類は友を呼ぶ、現実世界の様々なところに存在しています。

人間の集団心理に始まり、我々には見えないミクロの世界でも起こっているんです。

 

 

 "類は友を呼ぶ"は化学的親和性を端的に表す

 それでは、気分転換に、この世界を虫の目で見てみることにしましょう!!そうすると、今あなたの目の前にあるものは非常に大きく目に映ります。さらに、虫よりも小さくなって、この世界を見てみましょう。すると目の前には何だか粒々が見えてきました。そう、原子です。世の中のありとあらゆる物質は、この粒々で構成されています。

さて、原子が繋がると何になるでしょうか。

 

皆さん、理科の時間を思い出してください!
そう、分子です。原子は多種多様な繋がりを作って分子を作ります。例えば、水(H2O)は、水素原子2つが酸素原子1つを挟み込み、104.5°の角度で繋がった分子。そんな風にして酸素原子は酸素分子を、炭素原子と水素原子メタン分子を構成しています。

 

この分子、みんなそれぞれ異なる性格を持っています。

 

まるで人間みたいですね!!例えば、人間にせっかちマイペースという気質があるように、分子にも揮発しやすい、揮発しにくいといった性質が備わっています。

これと同じ様に、分子には大きく、疎水性親水性、という2つの性質に分けられます。聞き馴染みのない言葉かもしれません。疎水性を持つ分子は、親水性を持つ分子と交わりたがらない性質が有ります。水と油を思い浮かべてもらうと分かり易いです。

 

地球上では、水は水、油は油でまとまっています。両者が交わり混和することはふつうありません。お互い、親水性または親水性といった性格のもの同士の方が、居心地が良いのです。居心地が良いことを、物理化学では安定である、と言います。この性質は、例えば植物の有効成分の抽出などに応用されています。仲の良いグループに、目的の分子を誘い込むイメージですね!

 

人間を構成する分子にも、人間と同じような性質が有るのは面白いですね。

逆に、人間が真似ているのかもしれませんね。

 

 おわりに

今回のブログでは、"類は友を呼ぶ"という諺について様々な視点から、時に科学の始点から考えてみました。皆さんもこれを機会に、

"自分はどんな類に属しているか"

"どんな類に属したいか"

 ということを考えてみては?

このテーマについては、次回のブログでもう少し踏み込んでいきます。

 

以上、"類は友を呼ぶ"は本当か?(第1回)、についてでした~

Carpe diem

 

 References

1) 奥田秀宇(1996), 対人魅力の非対称性と類似性・非類似性の効果, 社会心理学研究, 12(2), 97-103.